心理士・鈴木孝信の臨床日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 大きな扉が開けた:Brainspottingのデモンストレーション

<<   作成日時 : 2014/10/20 14:51   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

カウンセリングは閉ざさされているもの。
閉ざされているからこそ、相談者の方は安心して自分のことを語ることができる。

これはひょっとしたらカウンセラーにとっても同じかもしれない。
特にパフォーマンス不安の問題が強い人にとっては、相談者以外に、誰にも自分のパフォーマンスが見られ評価されないという安心感を生み出すのかもしれない。

程度の差はあれ、僕もこの安心感を感じていた。
そして昨日、重く厚い扉で閉ざされていた、このプライベートな空間が開かれた。
扉が開かれた。


日本ソマティック心理学協会の設立記念フォーラム内のワークショップ「Brainspotting入門」で、Brainspottingのデモンストレーションを行った。

デモンストレーションというと、ピアニストであれば、舞台の上で、大勢の観衆を前に演奏をするようなものだし、フィギュアスケーターなら、スポットライトが照らされたリンク上で舞うようなことだと思われるかもしれない。けれどカウンセリングのデモンストレーションは少し違う。それらは、そもそも観衆がいるという前提がある。カウンセリングには観衆はいない。見せるためのものではないからだ。

そんな中でも、ある方法を実際に見てもらうことは、教育的な観点で言うと、とても有意義なこと。「百聞は一見にしかず」という諺もあるとおり。新皮質で「聞いた」ものが「見ることで」統合的につながり、より深い理解へと落とし込むことができる。だから心理療法の業界では、ある方法を紹介するときには、実際に見てもらうということは必須であり、そのために閉ざされていた世界をあえて開かせる必要がある。

そういった意義があるのだが心理療法のデモンストレーションでは「うまくいかない」というケースもよくある。セラピストの「何も起きないのでは」という考えが、デモンストレーションで一番恐ろしいことなのかもしれない。何も起きなかった時の観衆の落胆、しらけ度合から来る恥ずかしさ、ボランティアで相談者になってくれた方への申し訳なさ、混乱、自己への怒りや後悔…。人前でパフォーマンスをするという不安が、そういった破局的な思考を展開させる。

けれど、僕にはそういったものはなかった。唯一信じられていたことは、Brainspottingで効果がないはずがないということ。それは目に見えて満足のいくような変化がデモのセッションでは起きないように見えたとしても、必ずボランティアで相談者になってくれた方の役に立つことは出来るだろう、という確信。だから、失敗は想定していなかった。ただただ、その瞬間に出来ることをするだけ。そう自分に言い聞かせていた。

その結果、とても不思議なことが起きた。今まで体験したことのないような反応を目撃し、けれども動じることもなく、教育的な視点を気を付けながら、出来るだけはっきりとBrainspottingの流れを作りながら、デモンストレーションを成功に終わらすことができた。


僕の中で、大きな扉が開けた感じがした。
見られている、というより見守ってもらっているという感覚すら感じた。
そんな中で、向き合った相談者の方にベストを尽くした。
そしてその方の役にたてた。
そして、見守っていたる方たちの役にもたてた。

一度発火した神経結合は、再び発火するチャンスが高まる。心の中で一度開いた扉は、もっと開きやすくなるだろう。また実際にデモをする機会も伴って増えていくだろう。それでも大丈夫で、それを望んでいる。もう僕は、おとといまでと同じ人間ではないという強い実感を得た。




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

著書・翻訳書の紹介

大きな扉が開けた:Brainspottingのデモンストレーション 心理士・鈴木孝信の臨床日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる